トラブルを防ぐために「隣との境界線」について理解する

アパート経営にあたり「自分の土地と建物」を手に入れるということは、同時に「隣との境界線ができる」ということです。建築基準法や民法で、隣との境界線についての様々な定めがあります。アパート経営のトラブルを防ぎ、住民の皆さんの快適な環境を保つためにも、隣との境界線をどう守るべきか知りましょう。

隣との境界線を意識してアパートを建てる

マガ男:ニュースでも時々取り上げられますが「隣家の住人が、植木鉢や掃除道具などを自分の敷地まではみ出して置くことが原因で、トラブルになった」というケースや、「生活道路として使用してきた私道が、土地の持ち主にいきなり封鎖された」という問題がありますよね。
タテ吉:そうだね。アパート経営やアパート建築を行う場合には、隣との境界線をはっきり意識して、自分の持ち物ではない土地に建物を建てないことは当然だよね。
マガ男:境界線を越えていないとしても、もし自分の住んでいる家の隣に、境界線ギリギリまで建物が迫って来ていたら、なんだか怖い気がします。逆に僕が、境界線ギリギリまで迫るようなアパートを建てたら、隣の人は不快ですよね。

民法や建築基準法の規定を確かめる

タテ吉:民法では、隣地との境界近くに建物を建築する場合は、境界から50cm以上、離さなければならない、という定めがあるんだ。
マガ男:そうなんですね!
タテ吉:ただし、少し注意したいのが建築基準法の定めもあることだ。それによると「防火地域または準防火地域内にある建築物で、外壁を耐火構造にする場合は、その外壁を境界線に接して設けることができる」とされているんだ。
マガ男:それだと、さっきの民法と矛盾があるような……。
タテ吉:とはいえ、境界線から離して建物を建築することは、隣家への配慮という意味も大きいので、意識しておきたいところだね。

窓や植物が原因で隣人とのトラブルになることも

マガ男:プライバシーを守るという意味もあって、カーテンをずっと下ろしているお家も多いですよね。通行人がたまにしか通らないような地域で、道路に向けて窓があるという場合はいいですが、隣の家に向かっている窓はプライバシーの問題が気になりますよね。
タテ吉:民法で「目隠しを設置するよう請求する権利」について定められているんだ。これからマガ男君がアパートを建てるとして、他人の家や庭などを見ることができる窓やベランダを設ける場合には、見られる側の人から目隠しの設置を求められることがあるんだよ。

植物の成長にまつわるトラブルについて

マガ男:窓は、他の人の生活を覗くためのものではありませんからね、採光のために作る場合もありますが、その位置や向きには注意しておきたいですね。そのほかにも、生け垣を設けたいとか庭木を植えたいということもあると思うのですが、植物は生きているので、隣の家に迷惑をかけるおそれもあります。
タテ吉:もし、マガ男君のアパートに植えた木が隣の家まで伸びていってしまったとき、隣の人から「枝を切って欲しい」と言われることがあるかもしれない。ただし、勝手に枝を切る権利は隣の人にはないんだ。逆に「根っこ」が隣の土地に侵入した場合は、隣の人が切っていいことになっている。

隣地との境界にブロック塀を設けたい場合

マガ男:僕がアパートを建築してオーナーになったとします。そのとき、僕自身はどこが境界かが分かりますが、アパートの入居者の皆さんには分からないっていう場合もあると思います。入居者の皆さんが無意識に境界を越えてしまわないように、ブロック塀など境界が分かるものを設置したほうがいいのでしょうか。
タテ吉:そうだね。ブロック塀などを境界の中心線上に設ける場合、民法の上ではその費用について当事者同士で折半することと定められているんだ。

隣の住民との折半が難しそうな場合

マガ男:隣の人が「うちはずっと住んでいて、あなたに言われるまでブロック塀なんか設ける気はなかった!」と費用を負担したくないと言われるかもしれませんよね。
タテ吉:費用の折半は、あくまでも「境界の中心線上に囲障を設ける場合」だよ。もしも、もめ事になるよりは全額負担してマガ男君の側で塀を建てたいという場合は、相手が了承してくれれば建てることもできる。また、自分の敷地内に囲障を建てるという方法だってあるよ。境界線を守ることで、後のトラブルを防ぐことができるんだと、アパート経営の初めから意識しておきたいね。