雪、厳寒に備えを! 住まいの寒さ対策

2018年の冬は寒さが厳しく、各地で数十年ぶりとなる低い気温が報告されたほか、首都圏でも積雪で交通網が大きなダメージを受けるなど、大雪の被害も各地で相次ぎました。
住まいにおいては「暖房をフル稼働させても暖かくならない」といった悩みを抱える人も多く、寒さや大雪に対する各住宅の対策があらためて意識されています。

厳冬・大雪で被害続々

2018年の1~2月にかけては記録的寒さにより、各地でさまざまな被害が報告されました。東京都心では48年ぶりに氷点下4度を記録。寒さで水道管が凍結するなどの被害が多数発生しました。
全国的にインフルエンザが猛威を振るっているのも、寒さにより体力が低下している人が多いためと分析されており、厳寒の影響は健康面にも現れています。
また今冬は積雪による被害も多数報道されました。日本海側では山形・大蔵村肘折で観測史上最も多い433センチの積雪を記録するなど、各地で記録的な積雪があり、交通網が大きく乱れるなどのトラブルが見られています。
雪の重みで全壊する家屋が全国で報告されており、あらためて住まいにおける寒さや雪への対策が注目されています。

なぜ家の中が冷える?

屋外が冷えるのは自然の摂理であり、個人ではどうしようもありませんが、家の中ではなるべく快適に過ごしたいところです。ところが屋外が冷えると中も冷えてしまい、暖房をかけてもなかなか効かないというケースが少なくありません。
これはせっかく暖房で貯めた屋内の熱が屋外に逃げてしまうため起きる現象です。熱が移動する仕組みには、伝導、対流、放射という3つがあります。物質の中を熱が移動するのが伝導、気体や液体が温度差により循環することで熱が運ばれるのが対流、熱が電磁波として移動する現象が放射です。
住まいの場合、窓から逃げる熱が割合として最も多く、58%を占めます。外壁に比べて窓ガラスは薄いため、そこから伝導や放射で大量の熱が逃げてしまうのです。
熱が逃げるルートは次いで外壁15%(主に伝導・放射)、換気15%(主に対流)などとなっています。これらのルートにより熱が失われてしまうので、せっかく暖房してもすぐに寒くなってしまうのです。

3つの熱移動を防いで冷えを軽減

したがって、屋内を暖かく保つためには、熱が逃げるルートに着目して、伝導、対流、放射という3つの熱移動を防ぐことが有効です。
最も大きな割合を占める窓は、二重窓にすると間の空気層が断熱材としてはたらき、熱の移動を大幅に軽減してくれます。二重窓へのリフォームにはある程度の費用がかかるので、コスト的に難しい場合には、ペアガラスに換えたりサッシを樹脂に換えるという手段もあります。
窓からの熱損失を軽減するもう少し簡単な方法として、カーテンやスクリーンの利用も有効です。床まで届く分厚いカーテンを利用すれば対流による熱損失を、空気層を設けたスクリーンなら伝導による熱損失を抑えることができます。
日中はカーテンを開け放って日射を取り込み、日暮れ前には閉めて熱損失を防ぐといった暮らしの工夫も効果的です。
またコストはかかりますが、最も有効なのは外断熱リフォームです。経済的な余裕があるなら、検討してみる価値は大です。

大雪対策は「落とす」「溶かす」「耐える」

一方、大雪の対策には独自の工夫が必要です。最も有効なのは屋根の雪を落とす工夫なので、雪国の住まいはそのために屋根の勾配が急になっています。
しかしながら、後から屋根の積雪が問題になってきた場合、屋根の勾配を変えるリフォームを行うのは大変です。そんな時には屋根の滑りをよくする塗装を検討してみてはいかがでしょう。
ただし雪が固まって落ちることがあり、隣家や人に被害が発生するケースもあるため、施工にあたっては注意が必要です。
その点、雪を溶かす屋根用ヒーターなら、そういった問題がほとんど発生しません。ただし光熱費がかかるのと、解けた雪がつららになることに気をつける必要があります。
そういったことから雪国では最近、雪を落とさず重さに耐える「無落雪屋根」を選択するケースも増えています。建築コストはかかりますが、雪が断熱材となるため、寒さ対策になるという利点もあります。
屋内の寒さはヒートショックや体調不良など、健康面の問題につながるケースが少なくありません。また大雪により落雪や家屋の屋根が傷むなどのリスクも発生するので、厳冬の冬には有効な対策が求められます。
住まいで感じる寒さなどに不安を感じる人は、ニーズとコストを見据えて、対策を検討してみるのがよさそうです。