もう一度確認しよう、賃貸経営をはじめるまでの「手順」を総チェック!

不動産投資を始めよう!そう意気込んで様々な物件を検討し、ついに物件を購入。しかし物件購入がゴールではありません。賃貸経営は物件の購入後にはさまざまな施策が必要になります。ここでは賃貸経営経営の流れを「物件購入」「客付け」「修繕」「契約更新」という4つのフローに分けて、それぞれに必要な手順やポイントについてアパートで例えて考えてみましょう。

物件購入

まず最初に行うのは物件探しです。不動産会社に直接行って、物件を紹介してもらうこともできますが、物件情報は不動産情報サイトや収益用不動産情報サイトなど、インターネットでも収集可能です。収益用不動産情報サイトでは、購入した際の利回りも掲載されており、普通の不動産情報サイトよりも購入後の収入を把握しやすいでしょう。

物件を紹介してもらったあとは、内覧に行きましょう。建物の状態や周辺環境などのチェックが必要です。不動産投資の成否は、立地が大きく影響します。駅から近い、駐車場があるなど、好条件の物件を選ぶのが基本です。また、中古アパートの場合、購入後すぐに建物の修繕が必要になる場合もあるので、修繕の必要があまりないような物件を選ぶようにしましょう。

なお、購入費用は物件価格以外にも、不動産会社の仲介手数料、各種税金などで物件価格の約10%程度の諸費用がかかります。たとえば3,000万円の物件では、少なくとも3,300万円程度の費用が必要になるでしょう。物件を決めたら、売り主に購入を申し込み、同時に資金調達(金融機関に投資用ローンの申し込み)を進めます。

売り主との交渉がまとまると、いよいよ売買契約です。まず「重要事項説明」が行われます。買い主(あなた)と売り主、仲介の不動産会社が同席する場で、物件の詳細について説明を受けます。そして売買契約締結、手付金の支払いを行います。調達した資金(投資用ローンが実行されれば)で決済すれば、物件の引き渡しです。鍵と書類を受け取って、晴れて物件を所有できます。

客付けと管理会社選び

物件購入後に考えなければならないのは、どのように部屋を満室にするかです。中古アパートであれば、「オーナーチェンジ」といって入居者がいる状態で購入するケースも多いでしょう。また、全室空室の物件を購入することは避けるべきといえます。オーナーチェンジの場合、前オーナーが提携していた管理会社を引き継ぐかを判断することになります。

初心者が物件管理を自分でするのはかなり難しいため、基本的には管理会社に任せると良いでしょう。契約時は、どの業務まで行ってくれるのかを確認します。客付け、入居者との契約、内覧対応、定期的な巡回、清掃、入居者からのクレーム対応、修理業者の手配、そして退去の際の対応やルームクリーニングなど、管理業務は広範囲にわたります。

客付けは、基本方針を自分で決めて、具体的なオペレーションは管理会社に任せます。オーナーは家賃や敷金、礼金、その他の諸費用を設定し、物件が古い場合は、事前にリフォームや清掃を施す必要があります。

繁忙期以外のシーズンで入居者が決まらないときは、広告費を支払い、積極的に不動産会社で物件を紹介してもらいます。また、大手不動産情報サイトへの物件情報の掲載を考えておきましょう。管理会社がきちんと情報サイトに自分の物件を掲載してくれているかどうかも確認します。

修繕のポイント

物件の修繕は、必ず複数の会社から見積もりを取ります。なぜかというと、会社で得意な工事内容が違うからです。仕事を依頼するタイミングでも費用が変わります。初心者では適切なリフォーム相場がわからないため複数社から見積書をもらい、まずは相場の把握に努めましょう。そして、リフォームの内容と予算が適切と思える会社を選びます。

費用削減のために、自分で修繕するオーナーがいますが、素人が下手に手を出すとかえって破損箇所を広げてしまうおそれがあります。床や壁紙の張り替えぐらいなら個人でもできるかもしれませんが、水道工事などはプロに依頼することをおすすめします。

満室稼働になったら

客付けに成功して満室になっても、安心してはいけません。年度の変わり目や、契約更新のタイミングでは退去のリスクが高くなります。退去を申し込まれてから交渉をはじめても遅いと心得ておきましょう。先手を打って、入居者が住み続けたくなるような施策をとることが大切です。

たとえば設備の改善も入居者の要望からではなく、自発的に提案していきます。苦情や要望が来る前に、「1年間住んでくれてありがとうございました。年度の切り替わりなので新しい設備を付けたいと思います」と先んじて告知すれば、「このオーナーは自分たちのことを考えてくれる」と、入居者は好印象を持ちます。契約更新にも有利に働くでしょう。

年度末の切り替わりで引っ越す場合、早ければ1月、遅くとも2月ごろから段取りをはじめます。オーナーは夏に施策を考えて、年内に対策を完了するのが理想でしょう。

また、一度空室になると、すぐに新しい入居者が決まったとしても、清掃費や広告費、仲介手数料などの費用が発生します。最大で3か月分程度の家賃収入減は覚悟しておきましょう。だからこそ、できる限り契約更新のタイミングで退去が起こらないように対策を立てる必要があります。退去が事前にわかっている入居者(卒業を控えた大学生など)の場合は、退去日を聞いておき、前もって入居者募集をかけるようにします。

わからなければプロに聞く

良心的な不動産会社は、オーナーにわからないことがあればきちんと教えてくれますし、購入や賃貸契約などの複雑な手続きもすべて任せられます。良い不動産会社をパートナーに選び、最初から最後まで安心して任せられるようになれば、賃貸経営も軌道に乗っていくはずです。