住居系の不動産投資には、アパート投資とワンルームマンション投資の2種類があります。いずれも個人投資家には人気の種類の不動産です。
両者は住居系賃貸物件として共通点も多いですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。今回は、アパート投資を中心に、ワンルームマンション投資と比べた場合のメリットとデメリットについてご紹介します。
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アパート投資のメリット
アパートは土地活用として底堅い人気があります。土地活用では、その土地の用途規制によって建築できる建物が決まります。都市計画法で定められた土地の用途規制を用途地域と呼びます。
用途地域には、住居系、商業系、工業系を合わせて12種類が定められています。このうち、アパートのような共同住宅は工業専用地域以外のすべての地域で建築が可能です。
さらに、この用途地域には、容積率や建ぺい率、高さ制限等が定められています。容積率等の規制が最も厳しいのは、第一種低層住居専用地域です。
第一種低層住居専用地域は、戸建住宅のような規模の建物しか建てられませんが、2階建てアパートであれば、第一種低層住居専用地域であっても建築が可能です。
そのため、2階建てアパートは、工業専用地域以外のすべての地域で建築が可能であり、土地活用の有力な選択肢となり得ます。
例えば、第一種低層住居専用地域では、鉄筋コンクリート造の5階建てワンルームマンションは建築不能ですが、アパートなら建築は可能です。
アパートはワンルームマンションに比べると、どこでも建てやすいというメリットがあります。
新築の場合、アパートはワンルームマンションよりも建築単価が安いため、初期投資の回収も早いというメリットがあります。
また、アパートは複数戸となるため、空室リスクが緩和されるというメリットがあります。
1戸だけのワンルームマンションでは、1戸に空室が発生すると賃料収入はゼロとなりますが、10戸のアパートであれば、1戸に空室が生じても賃料収入は10分の1だけ減るだけです。
もちろん、ワンルームマンションも戸数を増やせば空室リスクは緩和されます。しかしながら、アパートの方が1戸当たりの価格が安いことから、戸数はアパートの方が増やしやすいです。
アパート投資のデメリット
アパートは木造または軽量鉄骨造が多く、鉄筋コンクリート造のワンルームマンションに比べると、建物の劣化や陳腐化が早いです。
同様の立地条件であれば、アパートの方がワンルームマンションよりも早く賃料下落や空室の発生が訪れます。アパートの方が建物としての資産価値が下がるのも早いです。
また、建物の法定耐用年数も木造であれば22年、鉄筋コンクリート造であれば47年です。減価償却費を鉄筋コンクリート造のワンルームマンションであれば47年間計上できますが、木造アパートであれば22年間しか計上できません。
減価償却費は非資金支出費用であり、節税効果が生まれます。木造アパートは、早く節税効果を失うため、築22年以降は税金が高くなります。
木造アパートは、賃料下落も早く、また節税効果を失うのも早いため、築22年以上の物件になると、収入が減ったのに税金があがるという現象が生じます。
耐用年数の短い木造アパートは、ワンルームマンションよりもキャッシュフローの悪化が早く訪れるというのがデメリットです。
それに伴い、築古物件では、ワンルームマンションの方が木造アパートよりも市場性は高く、値崩れしにくいという特徴があります。
アパートとワンルームマンションの大きな違いは躯体の構造です。構造によって耐用年数が変わるため、キャッシュフローや築古物件の価格に影響を及ぼします。
まとめ
以上、アパートとワンルームマンションを比べた場合の違いと特徴について解説してきました。それぞれには一長一短があります。違いを踏まえ、自分に適した物件を選びましょう。