アパートオーナーを苦しめる「家賃滞納」の原因と対策

アパート経営には、空室や敷金をめぐった原状回復問題などいくつかのリスクが付き物ですが、中でも不動産オーナーにとって頭痛の種となるのが「家賃滞納」の問題です。

オーナーにとっては収支計画が狂うのに加えて、常に大きなフラストレーションを抱えることになります。できるだけ家賃滞納は未然に防ぎたいものでしょう。

家賃滞納が発生!どうする

家賃滞納が発生した場合は、ほとんどが次のようなステップで督促の対応が取られます。賃貸管理を委託している管理会社がマニュアル通りに対応してくれるのが一般的です。

  1. 家賃滞納の数日以内に電話や書面で支払いを督促
  2. 1週間経過しても入金がない場合は、自宅を訪問するなどして再度督促を行い、支払いの意思や予定を確認
  3. それでも予定通りの入金がない場合は、連帯保証人に支払いを依頼
  4. 期日までに入金がなければ、賃貸契約の解除と部屋の明け渡しを通知

最初のうちは、1や2の段階で入金されることが多いものの、相手も滞納せざるを得ない事情を抱えているため、徐々に3、4という段階へとエスカレートすることは珍しくありません。入居時に敷金や保証金を預かっていればその中で清算できますが、最近では敷金ゼロの契約も多いため、滞納はそのままオーナーが負担することになりかねません。

家賃滞納への対応

このような事態を回避するために、「家賃保証サービス」を活用するオーナーが増えています。

家賃保証サービスとは、一定の保証料を保証会社に支払うと、滞納が発生した際に保証会社から一定期間の家賃を受け取れる仕組みです。

こうしたサービスは、入居契約時に入居者に加入してもらうのが一般的ですが、それを条件にすると入居者確保が難しいような場合は、オーナーが自費で加入するケースもあります。保証料は、入居時に家賃の1ヵ月分、あるいは月家賃の5%など、会社によってさまざまなパターンがあります。

家賃の滞納を未然に防ぎたい!

上述の家賃保証サービスによって滞納家賃は回収できたとしても、オーナーの精神的負担を考えれば、滞納は未然に防げるに越したことはありません。そのためにオーナーは、以下のようなポイントを心がけることが大切です。


入居者審査の徹底

家賃の支払いに不安がないか、風紀上の問題を犯す恐れがないかという視点で、入居希望者を審査するのが「入居者審査」です。不動産会社や賃貸管理会社が行うもので、以下のような希望者は落とされる場合があります。

・ 安定した仕事が無い
・ 収入の割に高額家賃の部屋を希望している
・ 人柄

オーナーとしては「空室のままであるよりは、多少問題があっても、入居してもらったほうがありがたい」と思うかもしれません。ですが入居者審査は、厳しくしてもらうよう依頼しておくほうが賢明です。質の悪い入居者が入れば、アパート全体の風紀が一気に乱れることがあるからです。

ゴミ出しのルールを守らない、夜中に騒ぐなどの悪行は、他の入居者に悪影響を与えるだけでなく、近隣からのクレームになりかねません。そういうことを好む人はいないでしょうから、アパートは敬遠されて、結果的に質の悪い入居者ばかりになる心配もあるのです。


良識的な人に好まれるアパートの維持

質の悪い入居者が入るか否かは、「運」だけとは言い切れません。そういう入居者を呼び込むような「質の悪い」アパートになっていないかどうかを、客観的にチェックすることも重要です。良識ある入居者に好感を持ってもらえるような管理の良いアパートを維持することが、良質な入居者での満室につながります。定期的な修繕や塗り替えなどを行い、アパートの美観を保つように心がけましょう。物件をきちんと管理してくれる信頼のおける管理会社をパートナーに選ぶことが非常に重要です。

厄介な家賃滞納問題への対応と、それを起こさないための対策について取り上げました。

家賃滞納問題は、残念ながら、質の悪い入居者が引き起こします。回避するためには入居者審査を徹底した上で、家賃保証サービスなどを利用するのが常道でしょう。

アパートの管理・メンテナンスを徹底しながら、美観と風紀を守り、良質な入居者が集まる環境を作りましょう。すでに問題に直面しているオーナーはもちろん、そうでない人も物件の管理状態に今一度目を向けてみてはいかがでしょうか。