アパート購入で頭金っていくら必要なの?ローンとの関係も含めて解説

これからアパートを購入しようとしている人の中には、頭金はいくらくらい必要なのかと気になっている人も多いと思います。

結論から言いますと、ローンを組む上では物件価格の最低10%は頭金として必要です。ただし、ローンを組めることと、リスクが回避できることは別になります。

そこで本稿では、アパート購入では頭金はいくらくらい必要なのかについて解説していきます。

アパートローンの特徴

アパートローンは住宅ローンとは異なり、銀行によってかなり条件が異なります。住宅ローンは、国が国民に対し住宅の取得を促す施策を背景に組まれている商品であるため、金利やローンで組める範囲が各行でほぼ横並びとなっています。

一方で、アパートローンは金利もローンが組める範囲も銀行によって異なります。例えば、住宅ローンの場合、原則として仲介手数料分を借りることはできませんが、アパートローンの場合、仲介手数料分を借りることのできる銀行もあります。

諸経費をどこまで借りることができるかについては、銀行ごとに個別の確認が必要です。

ただし、アパートローンでも総じて不動産取得に伴う登録免許税分と不動産取得税分に関しては、借りることのできない銀行が多いです。

ローンを組むのに頭金が必要な理由

諸経費分を借りることができたとしても、近年は銀行から融資の際、頭金を求められるケースがあります。

銀行が求める頭金の目安としては、物件価格の10~20%程度です。その理由は、金融庁がアパートローンの過剰融資を監視し始めたことがきっかけです。

2015年から相続税が強化されたことで、相続対策でアパート建築が郊外でも過熱した時期があったことから、投資を抑制するために頭金が求められるようになってきました。

そのため、アパートローンを組むためには最低限でも頭金を10%程度は用意しておいたほうがいいということになります。

借りすぎればキャッシュフローが悪くなる

ただし、お金が借りられることと、リスクが回避できることは別の話です。最低限の頭金しか用意せずに多額の借入を行えば、当然に返済が厳しくなります。

また、購入当初は借入金の返済ができたとしても、その後30年間同じペースで返済が可能かどうかわかりません。

例えば、新築のアパートを購入しても、10年後にすぐ隣の土地に新築のアパートが建築されるようなこともあり得ます。

同じエリアの中にアパートが続々と供給されると、古いアパートは競争力が弱くなり、賃料を下げて対応せざるを得ません。

アパートローンを組む際は、将来的に大幅に賃料が下がる事態になっても十分に返済できるような借入金に抑える必要があります。そのためには、十分な頭金(自己資金)が必要という結論になります。

投資家目線での頭金の目安

アパートの場合、住宅ローンを組んだときとは異なる考え方で頭金を用意する必要があります。

住宅ローンを組んだ際は、「借りることができない部分は頭金で賄う」という考えを持つ人が多いです。

一方で、アパートローンを組む際は「将来的にも十分に返済できるように自己資金を用意する」という考えで頭金を用意しなければなりません。

一般的に、機関投資家は物件購入時に自己資金30%程度を用意します。これは将来のリスクも加味して、あえて30%程度の頭金を用意しているということです。

アパートを購入する人は、投資家としての判断が必要となってきます。自己資金は投資家独自の判断ですので正解はありません。「プロが30%も用意するなら、個人投資家なら40~50%程度用意しておこう」という考えも正解です。

リスクヘッジの観点から、頭金は物件価格の20~30%以上は用意しておいたほうが安心と言えるでしょう。
※ただし、5~10%程度の頭金を用意して始めたケースでも、その後アパート経営に成功されている方も多くいらっしゃいます。

まとめ

以上、アパート購入で頭金はいくら程度必要かについて見てきました。頭金をいくらにするかは、投資家としての判断になります。くれぐれも、借りられない部分を頭金で賄うというような考えは避けるようにしましょう。