土地活用としてのアパート経営で大注目!~法人化について~

眠っている土地はそのままにしていても、利益を生むことはありません。アパートや駐車場などを建てて土地活用を行うことで、初めて収益を得ることができます。

不動産経営を行うために、資産管理法人を設立する「法人化」が注目を集めています。これから賃貸経営を行う方も、すでに行っている方も、ぜひ注目しておきたいキーワードです。本稿では、この法人化の意味やメリット・デメリットなどを解説します。

「法人化」とは何か

不動産オーナーは、いわゆる「大家さん」として、所有する不動産の入居者募集から維持管理まで、自ら行うことが普通でした。

しかし、副業などで不動産経営をする人もふえてきたことから、入居者募集や設備の修繕など、自ら行うことが面倒な不動産の維持管理については、アウトソースすることが一般的になりました。

法人化すると、不動産の所有自体を法人に移すことになります。つまり、不動産オーナーは、会社のオーナーとして不動産経営を行う形態に変わるのです。

法人を設立する際の名称に、統一的な決まりはありません。「資産管理法人」「不動産管理会社」「不動産投資会社」など、さまざまな名称が使われています。ただし、管理業務をアウトソースしている場合、不動産の物理的管理よりも資産管理がメインとなるでしょう。法人の実態を考えると、「資産管理会社」という言い方がしっくりくるのではないでしょうか。

法人化のメリット・デメリット

不動産賃貸における法人化のメリットとしては、一般的な法人成りと同様、次のようなものが考えられます。

1. 法人を通じて家賃収入を得ることで、経営者は利益を給与所得として受け取れる
2. 法人として使える経費が個人より多い
3. 最高税率が法人のほうが低い

また、法人化では、所得税関係に加えて相続税においても有利な点が多くなります。所得金額にもよりますが、所有と経営を分離させることで得られるTAXメリットは大きいと言えるでしょう。

その一方、法人の設立にあたってのデメリットは、手間がかかることや、法人の維持管理にかかるコストです。ただし、近年は専門的知識がなくても、法人の設立はインターネットとパソコンがあれば安価で手軽にできるサービスも登場しています。さらに、法人の決算についても、個人で扱える会計ソフトがあるのでわざわざ専門家に頼む必要はありません。こうしたサービスを賢く利用することで、法人化にかかわるコストの節約は可能です。

コスト削減のための努力や工夫を試していく中で、賃貸経営に関する書類や情報を整理してみましょう。重要なのは、新しい情報やノウハウを知って、それを不動産経営に反映させることです。腰が重くてなかなかできない不動産に関する勉強をやり直し、経営改革を実行するために、「法人化」は最適なきっかけになるでしょう。

プロ意識を持って不動産を経営すること

不動産を所有していると「自分のものを貸す」という感覚が強いので、多少の傷や汚れなどは仕方ない、気に入ったら借りてくれればいい、と思っているオーナーも多いかもしれません。

しかし、今後急速に賃貸需要が減退する社会では、「賃借人はお客様」という意識も大切です。住んでみたいと思ってもらえるような、お客様目線での不動産経営に切り替えていく必要があります。

法人化すると、見えてくる景色や視点が異なってきます。自分のものを貸すという感覚から、ビジネスオーナーとしてサービスを提供する、という感覚に変わってくるはずです。こうしたプロの意識を持つことで、今後の不動産経営に及ぼすメリットは数字以上のものがあるでしょう。賃貸経営の打開策としても、法人化について一度検討してみてはいかがでしょうか。