土地活用にトランクルーム投資を考えてみる

土地活用の一つとして、「トランクルーム投資」があることはご存知ですか?

不動産投資の中でも比較的にコストがかからず、用途転換もしやすいなど、さまざまなメリットがあります。

特にトランクルーム投資は賃貸住宅では通常立地が悪いとされるエリアでも、運営が成り立つということも注目ポイントです。

そこで今回は、トランクルーム投資が成功するにはどのような立地が向いているのかを考えてみます。

駅に近いから成功するわけではない

さまざまな不動産投資では、最寄り駅の存在が非常に大切となり、「駅近」「最寄り駅が便利」といったことが、その土地の最重要事項といっていいほど重視することは、不動産投資をやったことが無い方でも理解していることだと思います。そのため、駅から離れた立地のアパートやマンションは、築年数が経つにつれて空室や客付対策に苦しむケースが少なくはありません。

一方で、トランクルームの場合は、駅から離れていることが決定的なデメリットにはなりません。トランクルームはコストパフォーマンスや荷物の搬入のしやすさが利用者に対してアピールできるポイントになるのです。

特にコンテナ型のトランクルームの場合は、家具やスーツケースなど大型の荷物を車で運び込むことが多いので、たとえ駅の近くであっても付近に駐停車ができない立地では、利用しにくいトランクルームになってしまいます。

また、トランクルームを設置する土地の賃貸料は、そのままランニングコストに反映されるので、駅近のような地価が高い土地ほど、トランクルームの利用料金が高額になってしまいます。

利用者にとっては使い勝手は変わらないのに賃料が高いと映ってしまうため、トランクルーム投資において駅近は必ずしもメリットにはならないのです。

駐車場が付近にあるか、しっかり確認を

前述のことからコンテナ型のトランクルーム投資では、車が利用しやすい立地であるかが重要なポイントといえます。

スポーツ用品などの大型の物を季節ごとに預けていたり、転勤している期間だけ物を置く場所として活用したりする人たちの視点でみれば、最寄りの駐車場から100メートル以上離れているようなトランクルームでは、別の手段でその距離を運ばなければならずとても不便に感じるはずです。

国道沿いでアクセスがしやすいことや、コンテナに車を横付けできるなど、あるいは、駅近の商業エリアでも、近くにコインパーキングがあり、気軽に荷物を入れられるなどの条件が重要になります。

「室内型」であれば駅近も

どうしてもトランクルーム投資を駅前で行いたいという方は、コンテナを使った大型のトランクルームよりも、室内型の小さなトランクルームを検討することを考えてみてもいいかもしれません。

小規模のトランクルームは、趣味の物、家族の思い出の品、家族にみられたくない物など、大型トランクルームを利用するまでもない、ちょっとした物を預けたい人向けです。スペースを小分けにして、月々の費用が数千円から利用できるようにすれば、手軽に預けたいという人たちにとってはニーズがあるでしょう。

また、マンションの地下やアパートの空いているスペースなどにトランクルームを設置すれば、住人だけでなく、近隣方の利用が見込めます。特に物件の住人にとっては、自宅以外の収納スペースとして重宝されることでしょう。

注意点を考え理解する

コンテナ型のトランクルームは、土地やスペースがあるからといってどこにでも設置できるわけではありません。

建築基準法に定めがあり、いざ土地活用のためにトランクルーム投資を行うとしても、土地によっては第1種・第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域などでのコンテナ型のトランクルームは、建築基準法違反となってしまうので注意が必要です。

また、気軽に設置できそうだと思っていても、コンテナ型のトランクルームは固定資産税の減免措置が適用されません。

場合によっては、固定資産税の出費が思いのほか高額になる可能性もあるのです。

メンテナンス費がかからないという理由でトランクルーム投資を始めようと考えている方もいると思いますが、注意をしないと自ら落とし穴にハマってしまいかねません。利回りやコスト計算もしつつ、しっかりと情報収集をすることが必要です。

海外と違って日本では、比較的コンパクトな住宅が多いため、屋内の物置スペースを確保するのに苦労している方も多いはずです。

トランクルーム投資は、注意をしながら立地を考え、固定客を獲得できるような投資になれば、成功する可能性は高まるのかもしれません。