実践すべき効果的な7つの空室対策とは

投資物件の入居率は大きく家賃収入に関わってきますので、空室である期間をできるだけ短く済ませたいものです。しかし、ただ待っているだけではなかなか成約につながりません。そのために何をすべきか、さまざまな空室対策について考えてみましょう。高額の宣伝費用をかけなくても、工夫次第で効果的な空室対策が可能です。借り手にとって魅力ある物件と思わせられれば、入居者、オーナー、仲介業者ともにWin-Winの関係が築けるでしょう。

空室対策1「フリーレント期間を設ける」

フリーレントとは「家賃無料」という意味を持ちます。空室対策の一環として、物件広告にフリーレントの文字を入れるのはもはや定番になっています。家賃が無料になれば賃貸借契約時の初期費用が安く済むため、入居者にとってお得感があります。学生や新社会人、これからますますお金がかかる子育て世代などにも魅力的な物件になります。フリーレントの期間はオーナーが自由に設定して構いません。
親元を離れて一人暮らしを始める大学生は、希望に合う物件を確保するために早めに部屋探しを始めますが、良い物件が見つかって即契約しても入学までは住む必要もなく、それまでの家賃を払い続けるのももったいない話です。学生向けの賃貸のオーナーなら、入学までに契約が取れない場合は、翌年の入学までずっと空き家が続くことにもなりかねません。入居が決まればその後の2~4年間は住み続けてもらえます。そのため、入居までの空白期間をフリーレントにすることで学生側の負担も軽減され借りやすくなります。オーナーも4月からの入居が確実となるため、その後の家賃収入は保証されます。そのように入居のハードルを下げてフリーレント期間を設定することも空室対策に効果的です。

または、初月の家賃を無料とする方法もあります。たとえば、入居希望者から家賃の値下げ交渉があった場合、そこでうかつに家賃を安くしてしまうと、長く住んでいる入居者から不公平との声が挙がりかねません。そのためフリーレント期間を設けて入居希望者にメリットを供与するわけです。どんな形であれ、入居にかかる費用が安くなることは借り手にとって魅力的であり、そのぶん、借り手側が予定していた家賃上限を超えて契約に至るケースがあります。このように、お得感が感じられれば入居希望者をふやすことができるでしょう。

空室対策2「外国人入居者を受け入れる」

本気で空室対策をするなら外国人に対しても積極的に門戸を開くべきでしょう。留学生や労働者などさまざまな外国人が来日しています。その多くは、賃貸物件を探すのに苦労している現状があります。その理由は、言葉が通じないためオーナーが何らかのトラブルの発生を心配するからです。トラブルにより長く住んでいる入居者が退去してしまうことも懸念材料の一つです。また、家賃の支払いが滞ったまま国に帰ってしまうと滞納分を請求することが難しくなることを心配する声もあります。

しかし、家賃滞納の心配をする必要はありません。なぜなら、連帯保証人不要の家賃保証会社を利用すれば外国人は保証人不要で賃貸契約が結べます。万一家賃の支払いが滞っても家賃保証会社が肩代わりしてくれるためオーナーに不利益はありません。周辺の物件が外国人入居可にしているところであるほど外国人入居可物件は効果的です。外国人が多く住む街は、外国人を受け入れる職場や学校が近いことを意味します。そのような立地なら居住する外国人も安心でき、外国人同士の交流も盛んになり、日本の居住マナーなども教えてくれる機会もあるでしょう。

また、外国人は物件を探すのに苦労するため、無事に入居できた場所を離れず慣れた土地に長く住み続けたいと思う傾向があります。そのため住人とのトラブルを避けようと努めるため、不必要に心配することはありません。最初こそ通訳が必要かもしれませんが、そのうち徐々にコミュニケーションがとれるようになります。それに、スマホの翻訳機能で簡単に意思疎通をはかることもできます。

空室対策3「敷金や礼金を下げてみる」

賃貸借契約時の初期費用が高額なため、希望した物件に予算が足りない、という声は多いです。そのため空室対策として、初期に必ずかかる敷金や礼金の金額を下げたり無料にしたりする方法が有効です。敷金も礼金も無料にする場合は「ゼロゼロ物件」と呼ばれます。礼金は大家にお礼として支払われるものですから、無料にすることで2年間は住み続けてくれるなら惜しくはありません。敷金も実質、貸し手の預り金です。先に預かるか退去時に必要な分だけ払ってもらうかの違いだけです。実質オーナーの利益にはならないため、ゼロにしたところで痛くもかゆくもないのです。「敷金も礼金も無料」とすると入居時の初期費用をかなり安く感じてもらえます。それだけ気軽に入居しやすくなり空室対策としても効果的です。

空室対策4「家具付きの物件にしてみる」

単身赴任や学生なら、家具付き物件に住むメリットは大きいです。何年か住んだ後に自宅に帰ることになるなら、一人暮らしのために買い揃えた家具が一式ムダになってしまうからです。せっかく買っても、持ち帰ったところで1人用の家具は使い道がなく送料もかかってしまいます。かといって処分しようにも手間やお金がかかってしまいます。家具付き物件として貸し出せば、入居者が知らない土地であれやこれや家具を買い揃える手間が減りますし、身の回りのものだけ持って気軽に引っ越してくることができます。家具付き物件にすれば、周囲の家賃相場よりも多少高く貸し出すことも可能でしょう。空室対策になるだけでなく、物件の価値も上げることができます。

空室対策5「仲介業者に謝礼金を渡す」

仲介業者と相談して数々の空室対策を行っているのに、なかなか思うようにいかない、ということもあるでしょう。お客さんに自分の所有する物件を優先的に紹介してもらって、積極的に良いところをアピールしてもらう必要があります。そのためには日頃からの関係を良くしておくことに越したことはありません。たとえば、入居が決まったら仲介手数料を増額する、担当者に謝礼を渡す、QUOカードを渡すなどの方法もあります。言わば成功報酬の上乗せ、担当者ボーナスのようなものです。ただし、仲介業者によっては個人が金銭を受け取ることを禁止されている場合もありますので気をつけましょう。

空室対策6「管理会社を変えてみる」

できる空室対策は全てやっても、いつまでたっても空室が埋まらないというときは、管理会社の体制に何か問題がないか見直してみましょう。募集の仕方がまずい、営業力に難あり、物件の管理がずさん、お客さんへの対応が悪い、などの何らかの原因がある場合があります。立地や設備などにも欠点がなく、周辺の同等物件の入居率が高いなら、管理会社を変えてみるのも一つの方法です。地元で評判の良い小規模の会社でも入居率の高い実績のある管理会社はあります。退去後のリフォーム、ハウスクリーニングなどの対応がスムーズで、次の募集を出せるまでの期間が短いところは営業熱心であることがうかがえます。そのような会社は従業員の対応からも判断しやすいので、まずは相談してみることをおすすめします。

空室対策7「好立地の物件へ組み換えをする」

組み換えとは、収益性の低い不動産を売却し、収益性の高い不動産を購入する、つまり買い換えることを指します。駅からのバス便が極端に少なかったり、日常の買い物が不便な場所だったりなど立地に問題がある場合は、入居者の募集も難しいものです。まして、周辺の賃貸も空室だらけという状況では、家賃相場も下げないわけにいきません。いつまでも収益性の低い物件を抱えるよりも、好立地の利回りの良い物件へと組み換えることも検討してみましょう。