物事を地道に長く続けていくことを「細く長く」といいますが、この言葉は不動産投資を的確に表現ている言葉です。
不動産投資を行うときに、この細く長くのイメージを持つことはとても大切です。
不動産投資の勉強をしている方、これからする方も不動産はあまり儲からないのではないかとイメージされている方は多いのではないでしょうか。儲けを急ぐあまりに、勉強がおろそかになりリスクがある高利回り物件に手を出して失敗する人が後を絶ちません。
不動産投資は株やFXのような投資とは収益の性質が全く異なります。そこで今回は数ある投資の中でも、なぜ不動産投資を選ぶ人がいるのかについて解説していきます。
お金持ちはやっている不動産投資
世界の富裕層のうち、上位100分の1に入る人たちは、多くの不動産を保有しています。そのため、お金持ちが不動産投資をしているということは間違いはありません。しかしながら、多くの富裕層は資産の中で不動産よりも株の方が保有率は高いように思います。
このことは、不動産投資では「超」お金持ちになれても、不動産投資だけでは「超々」お金持ちには成れないことを意味しています。1,000分の1の「超々」お金持ちは株の保有率が高いことを考えれば、株式投資の方が不動産投資よりも儲かると言えそうです。
但し、1,000分の1の富裕層でも資産の中で一定割合を不動産が占めていることは間違いありません。「超々」お金持ちも決して不動産投資を軽視している訳ではないのです。
富裕層たちの目的とは
富裕層が不動産投資を行う究極の目的は、資産を減らさないことにあります。現金だと使いたいときに使えますが、その代わりに使ってしまうとすぐに減ってしまいます。また株やFXは大きく損をすることもあり、その目減りは大きいです。
そこで資産の一部を現金や株ではなく不動産に変えると、大きく目減りするリスクはなくなります。現金のように使いたいときに使うこともできなくなるため、あっという間に減るという心配もありません。
また不動産投資の利回りは低いですが、それは流れ出るお金の蛇口を細くしていることを意味しています。家賃収入という細い蛇口から出ているお金を使っている限り、その資産はほとんど減ることはないのです。
つまり、例えば今すぐ使わない1,000万円の現金を持っているとしたら、それを不動産に変えることでその1,000万円の資産は長持ちします。その1,000万円という資産は、あなただけではなく、子供の代や孫の代まで長く引き継ぐことも可能となります。
しかも不動産は現金や株よりも相続税評価額が低く評価されるため、現金を不動産に代えるだけでも相続対策になるのです。
不動産投資とは守りの投資
「投資」という言葉からすると、少しピンと来ないかもしれませんが、不動産投資は資産を長く維持するという観点からすると、最も優れた投資になります。株やFXが攻めの投資としたならば、不動産は守りの投資と言うことができます。
そのため不動産投資は、働いて作り上げた財産を守るために行うというのが王道です。富裕層たちは財産を不動産に代えることで次の代への資産を引き継いでいます。またその不動産からはチョロチョロと家賃収入という恵みの水が細く流れ続けます。
現金が不動産に代わることで、資産がまさに「細く長く」なる性質を持ち合わせます。一方で「細く長く」の逆は「太く短く」です。株やFXというのは、現金を短期間で大きく増やせる「太く短く」の性質を持った投資です。
逆に「太く短く」は短期間で大損してしまう可能性も含みます。短期間で大損してしまうことが嫌な人であれば、不動産投資が向いていると言えるでしょう。
最終的には、株や不動産、現金などをバランスよく持つことが理想です。「卵は一つのカゴに盛らない」というのは、やはり投資の名言なのでしょう。