アパートやマンションの賃貸経営では、リスクや利回りという言葉をよく耳にしますが、一体それは何を表しているのでしょうか。
そこで本稿では、アパートやマンションの賃貸経営で登場するリスクや利回りとは一体何なのか、解説していきます。
土地価格に反映されるもの
リスクや利回りというのは、つまり土地価格に反映されるものを表しています。
まず、利回りとは投資額に対する収益の割合を言います。例えば、年間収益が500万円の不動産の投資額が1億円だった場合、利回りは5%となります。利回りは都内の一等地の物件は低く、郊外の立地条件の悪い物件は高いのが一般的です。
投資額とは、土地と建物の価格になります。建物価格については、築年数や規模が同じであれば、基本的には全国どの場所でも大きな開きはありません。
では、都内の一等地の物件と郊外の立地条件の悪い物件の、投資額の差はどこから来ているのかと言うと、それは土地価格が原因となっています。
同規模・同築年数のアパートであれば、利回りに差が出る原因は、立地によって土地価格が異なるためです。一方で、都内の一等地の物件と郊外の立地条件の悪い物件では、リスクも異なります。
不動産投資の代表的なリスクの一つに、空室リスクがあります。空室リスクは、都内の一等地の物件のほうが低く、郊外の立地条件の悪い物件のほうが高いです。これは利回りの大きさとも連動します。
都内の一等地の物件はリスクも低いですが、利回りも低いです。それに対して、郊外の立地条件の悪い物件はリスクも高いですが、利回りも高いです。
つまり、リスクと利回りは切っても切れない関係にあります。そのリスクと利回りを具体的に反映しているものが、土地価格となります。
高利回りが良い物件とは限らない
不動産投資で高い利回りを実現するには、土地価格が安いところに投資する必要があります。土地価格が安いところとは、つまり郊外の土地です。郊外の物件は、空室が発生しやすく賃料も下がりやすいため、あまり良いことがありません。そのため、購入したがる人が少なく、結果的に土地価格が安くなります。
利回りが高いのは土地価格が安いからであり、逆にリスクが高く需要が低いため土地価格が安くなっているだけなのです。利回りが高い物件が良い物件ではないということを理解しておきましょう。
良い物件を高い利回りで買うポイント
良い立地の物件は土地価格が高くなるため、利回りが低くなります。では、良い物件を購入するには低い利回りで我慢するしかないのかというと、そういうことではありません。
利回りは土地価格に反映されるものであり、土地価格が安いと利回りが高くなります。土地価格は、場所の違いだけで価格が上下するわけではなく、時間の変化によっても価格が上下します。
例えば、バブル時代は土地価格がとても高騰しました。それに対し、リーマンショックや東日本大震災の後では土地価格が大きく下落する時期がありました。このように、土地価格が下落した時期においては、同じ立地の物件でも利回りが高くなることがあります。良い立地の物件でも高い利回りで物件を購入するには、土地価格が安い時期に購入することがポイントと言えます。
株式投資でも、安いタイミングで購入することが鉄則であり、それは不動産投資でも同様となります。ただし、土地価格が安い時期に不動産投資するのは、さらに土地価格が下がるかもしれないというリスクがありますので認識しておきましょう。
土地価格がさらに下がると、その分利回りが高くなるということになります。
まとめ
以上、利回りとリスクについて解説してきました。
利回りとリスクは土地価格に反映され、土地価格が高いエリアや時期は利回りとリスクが低く、土地価格が安いエリアや時期は利回りとリスクが高いということになります。