資産運用はどんな種類がおすすめ?初心者にもおすすめの運用法とは

将来に対する不安から資産運用を行う人がふえています。しかし、周りがやっているからなどといった安易な気持ちで始めると大きな損失につながりかねません。


資産運用にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。着実に資金をふやしていくには、それらについて正しく理解し、自分に向いた方法を選択する必要があります。


そこで、将来に向けて資金をふやしていきたいという人のために、資産運用法の種類やそれぞれの特徴、さらには初心者におすすめの資産運用法はどれかといった問題について解説をしていきます。

資産運用はインカムゲインとキャピタルゲインの2種類!

資産運用は、インカムゲインとキャピタルゲインの2種類に大別が可能です。まず、インカムゲインとは資産を保有し続けることで得られる利益を指します。たとえば、銀行預金の利息や投資信託の収益分配金などがそれに相当します。

一方、キャピタルゲインとは資産を売買することで得られる利益です。仮に、株価10万円の株式を購入し、15万円になった時点で売却すれば差額の5万円がキャピタルゲインとなるわけです。


両者を比較した場合、インカムゲインによる資産運用は安定性が比較的高く、損失リスクが低いというメリットがあります。その代わり、得られる利益も少なめです。


一方、大きな利益を得られる可能性が高いのがキャピタルゲインです。ただし、運用の仕方によっては資産が大きく目減りしてしまうというデメリットがあります。


ローリスク・ローリターンの資産運用

ローリスク・ローリターンとは、安定性が高く、資産を大きくふやすことはできない代わりに資産が減るリスクも少ない資産運用法です。

具体的には、銀行預金や個人向け国債、国内債券などがあります。その中でも、最も手軽な資産運用法といえるのが銀行預金です。専門知識も不要ですし、銀行にお金を寝かしておくだけで確実に利子がふえていきます。それに、1000万円までの元本保証がある点も見逃せません。

銀行は預金保険に加盟しており、倒産をした場合でも1000万円以内の預金は預金者の元に返ってくるようになっています。資産を減らすリスクがほぼゼロなので安心して資産運用ができるというわけです。その代わり、金利が低くて資金をふやす目的で用いるには物足りないというデメリットがあります。


次に、個人向け国債ですが、これは半年ごとに金利が見直される10年満期のものと金利が固定されたままの5年満期及び3年満期といった3つのタイプに分かれています。個人向け国債のメリットは銀行預金を凌ぐ安全性の高さです。国が運営しているため、日本自体が経済破綻を起こさない限り、元金割れすることはありません。また、株式投資などと比べると、少額で投資を始められるのも魅力的です。ただし、金利は銀行預金より少し高い程度にすぎない上に、満期前に換金するとかなり目減りしてしまうというデメリットがあります。

最後の国内債券というのは、国や株式会社などが発行する債券を投資の対象とした投資信託です。利回りは決して高くありませんが、それでも銀行預金の利子などよりは大きな利益が期待できる点がメリットだといえます。その上、株式よりも値動きの変動が少ないので安定した資産運用が見込めます。ただ、国内債券の発行は募集形式になっているため、欲しい時に購入できるとは限りません。それに、始める際には数十万円単位の多額の資金が必要な点も大きなデメリットです。


ハイリスク・ハイリターンの資産運用

ハイリスク・ハイリターンとは、高い収益が期待できる代わりに大きな損失を被る危険性が高い資産運用法です。

代表的なものとしてはFXや先物取引などが挙げられます。まず、FXですが、これは外貨の売買によって利益を得ようとする資産運用法です。たとえば、1ドル100円の時に1万円で100ドルに換金したとします。それを1ドル120円になった時点で円に戻せば1万2,000円となり、2,000円の利益を得たことになるわけです。

FXの場合はそこにレバレッジという仕組みが加味され、わずかな証拠金を出せば大きな取引を行うことができます。また、株式は世界中が不況に陥ると利益を出すのが困難になりますが、FXならそうした心配はありません。なぜなら、片方の貨幣がレートを下げれば、相対的にもう片方の貨幣のレートは必ず上がるからです。ただし、大きく儲けようと思ってレバレッジをかけすぎると、予想が外れたときには大きな負債を抱えることになりかねません。


一方、先物取引は貨幣ではなく、商品の将来的な価格を予想します。仮に、原油が半年後に値上がりすると予想すれば半年後に原油を買うと約束し、契約を結ぶのです。

その額が10万円だったとしましょう。そして、もし半年後に原油の価格が15万円に値上がりしていれば、10万円で購入した原油を15万円で売って5万円の利益を得られるというわけです。しかも、実際に商品を管理する必要はなく、データ上の取引だけで大きな利益が狙えるというメリットがあります。その上、FXと同じでわずかな証拠金で大きな取引を行うことも可能です。もちろん、その分巨額の損失を被るおそれがある点もFXと同じです。

ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用

ある程度の利益は得たいけれど、極端に高いリスクは避けたいという人にはミドルリスク・ミドルリターンの資産運用法がおすすめです。


まず、このタイプでよく知られているのが株式投資です。企業が発行する株式を購入し、その値段が上がれば株式を売却することで利益が得られます。株式を購入するにはそれなりにまとまった資金が必要であり、その点が大きなデメリットです。しかし、逆にいえば、FXのようにレバレッジをかけて少ない資金で無理な投資をし、大きな負債を抱えるというリスクがない点はメリットだといえるかもしれません。


また、よりリスクの少ない資産運用法としては投資信託ETFがあります。これは、株式市場に上場されている有力企業の株を詰め合わせ、一般投資家向けの商品として販売したものです。つまり、上場している有力企業の株を複数所有しているのと同じなので、素人が購入した株式よりも安定した利益が期待できます。その上、数千円程度の少額から始められるという点も大きなメリットです。ただ、取引の際には手数料がかかるため、頻繁に売買を行うとコストがかさむのはデメリットだといえます。


一方、外貨を運用対象としている投資信託としては外貨MMFがあります。1,000円程度からの少額投資が可能であり、外貨預金より利回りが高いのがメリットです。

その代わり、為替レートの変動によっては損をしてしまう場合があり、投資の際には為替手数料が必要だという点がデメリットだといえるでしょう。

株式や投資信託以外では、マンション経営やアパート経営などの不動産投資もミドルリスク・ミドルリターンの資産運用法に含まれます。

建物の老朽化などに伴う空室リスクはありますが、税制の優遇措置によって節税や相続税対策になるという点が魅力的です。


初心者におすすめの不動産投資

資産運用の方法を紹介してきましたが、その中で初心者にもおすすめなのは家賃収入によって利益を得るインカムゲイン型の不動産投資です。これならば比較的リスクが少なく、高収入も期待できます。

また、ローンを活用すれば少額の資金でも始められますし、物価が上がると高確率で不動産価値も上がるのでインフレ対策にもぴったりです。


ハイリスクの資産運用は回避しよう!

短期間で大きな利益を得られるという意味では、確かにハイリスク・ハイリターンの資産運用は魅力的です。

しかし、失敗すると取り返しのつかない損失を出してしまうことにもなりかねず、少なくとも初心者は避けたほうが無難でしょう。

まずは、リスクの少ない資産運用法を選択し、着実に経験と実績を積み重ねていきましょう。