これからアパート経営を始める人であれば、利回りの目安を知っておくことが重要です。また、アパート経営には必要経費もかかってきます。
そこで本稿では、アパート経営の利回りの目安はどの程度か、また必要経費にはどのようなものが発生するのかについて解説します。
Contents
利回りの目安
アパートの利回りには、いくつか指標があります。賃料収入を投資額で割ったものは表面利回りと呼ばれ、賃料収入から必要経費を引いたNOI利回り(Net Operating Incomeの略)があります。NOI利回りは実質利回りとも呼ばれます。
また、アパートの利回りは投資額に土地代も含むかどうかで変わってきます。投資額に土地代を含んだ場合のNOI利回りは4~6%程度が相場です。
NOIは賃料収入から必要経費を引いたものです。投資額は土地価格と建物価格を含むものになります。
すると、NOI利回りは以下の式で表現されます。
NOI利回り = NOI ÷ 投資額
= (賃料収入 - 必要経費) ÷ (土地価格 + 建物価格)
NOI利回りは上式で表されるため、土地価格が高い都心部のほうが低いです。NOI利回りは都心部であれば4%に近く、郊外であれば6%に近くなります。
土地持ちの人がアパート経営する場合、土地代の購入費用はありませんので、利回りは格段に良くなります。NOI利回りを計算する上での分母に土地価格が含まれなくなるため、逆に賃料が高い都心部ほど利回りが上がります。
必要経費
アパート経営する上での必要経費には、土地と建物の固定資産税および都市計画税、建物の保険料、管理委託料が経常的に発生します。
このうち、土地と建物の固定資産税および都市計画税、建物の保険料は賃料収入に対して約10%の経費として発生します。
不動産会社へ支払う管理委託料は、賃料収入の5%が相場です。
そのため、土地と建物の固定資産税および都市計画税、建物の保険料、管理委託料等の経常的に発生する費用は、賃料収入の約15%ということになります。
また、イレギュラーな費用として、修繕費や入居者入替に伴う仲介手数料、ADと呼ばれる広告宣伝費、オーナーが行うクロスの貼替等のリフォーム費用が発生します。
修繕費に関しては、新築当初はほとんど発生しません。また、入居者入替に伴う仲介手数料やAD、リフォーム費用等に関しても、新築時はほとんど入居者の入替が生じないため、これらの費用も発生しないことになります。
ただし、築年数が経過すると修繕費もふえ、入居者入替に伴う費用もふえてしまいます。加えて、賃料も下落するため経費率は上昇していきます。
築古物件となると、経常的な費用に加え、修繕費や入居者入替に伴う費用もふえるため、経費率は賃料収入の30%近くにも上ります。
必要経費を抑えるポイント
アパートでは、新築当初はほとんど費用が発生しませんが、築年数が古くなると費用がふえる傾向があります。費用がふえると利回りを低下させる原因となります。
築年数が古くなってふえる費用のうち、入居者入替に伴う費用に関してはエリアによって発生の仕方が異なります。
郊外の物件のように、空室率がすぐに高くなるような物件であれば、入居者入替に伴う費用がすぐに増加していきます。
一方で、都心部の物件のように空室率が低い物件であれば、入居者入替に伴う費用はあまりふえていきません。
都心部の物件は、当初のNOI利回りが低く、儲からない印象がありますが、実は郊外の物件はすぐに入居者入替に伴う費用が増加していくリスクを持っています。
必要経費を抑えるには、都心部の空室リスクの低い物件を選ぶことがポイントです。
まとめ
以上、アパート経営の利回りや必要経費の目安について見てきました。都心部の物件は利回りが低いですが、同時にリスクも低いという認識をしておく必要があります。将来のリスクも踏まえ、物件を選定するようにしましょう。