自宅のような住宅は、住んだ年数に応じて価格がどんどん下がっていきます。ところが、アパートや賃貸マンションは、年数が経過したとしても必ずしも価格が下がっていくとは限りません。
価格がズルズルと下がっていかないところが、アパートなどの収益物件の面白いところです。ただし、全ての物件が資産価値が落ちにくいということではありません。
では、どのような物件が資産価値の落ちにくい物件なのでしょうか。そこで本稿では、アパートや賃貸マンションの経営にあたり、資産価値の落ちにくい物件の特徴についてご紹介ていきます。
稼ぎ続ける収益物件は価値が維持できる
収益物件の価値が下がるということは、その物件が稼げなくなってきたということを意味します。収益物件の価値が下がる原因は、自宅のように単純に古いという理由とは異なります。
仮に、築年数の経過した収益物件が新築当初と同じくらい稼げるのであれば、価値が下がる理由はありません。お金を生み出す力が同じであれば、前年と今年を比べても価格が下がることはないのです。
一方で、マイホームのような自分で使う不動産は、賃料という価値がわかる客観的な数値がありません。単純に毎年古くなっているという事実だけは存在し、その理由だけで前年と今年を比べると価格が下がっています。
収益物件は、マイホームとは価格の決まり方が異なります。賃料を稼ぐことができれば、築年数に関わらず、価値は下がらないというのが収益物件の特徴です。
賃料が下がらない物件とは
価値が下がらない物件とは、言い換えると賃料が下がらない物件と言えます。では、どういう物件が、賃料が下がらないのでしょうか。
賃料が下がらない物件は、空室の少ない物件になります。アパートや賃貸マンションは、空室が長引くと、募集賃料を下げて募集するのが通常です。空室を埋めるために賃料を下げ始めると後戻りはできません。その後、賃料を上げることはほとんどできないというのが通常です。
空室がほとんど無い物件は、空室が発生してもすぐに次の入居者が決まる物件です。すぐに空室が埋まるため、賃料を下げる必要がありません。空室は、賃料を下げる呼び水となり、最終的には物件の価格を下げます。
価値の落ちない物件を探すには、空室が少ない物件を選ぶことが何よりも重要です。
良い立地が空室率を下げる
良い立地の物件を選ぶことは、賃貸経営の基本です。立地の良い物件とは、例えば人気路線のターミナル駅であり、かつ駅から徒歩5分以内というような物件です。
このような立地の良い物件は、多くの人が住みたいと思います。多少建物が古くなっても、すぐに次の入居者が決まるため、家賃を下げずに経営が可能です。また、立地は築年数が古くなったところで、劣っていくものではないという特徴があります。
例えば、30年前の東京駅の目の前の土地も、今の東京駅の目の前の土地も一等地であることに変わりはなく、価値が毎年のように下がっていくものではありません。
一方で、駅から遠く離れたような立地の物件は、あまり住みたいとは思いません。一度空室が発生すると、次がなかなか埋まらなくなります。空室が長引けば家賃を下げざるを得ず、価値は必然的に下がっていくのです。
なお、立地の良い物件であっても、築年数が古くなれば徐々に人気がなくなり空室もふえていきます。ただし、価値が落ちる速度は、立地の悪い物件より遅いことは間違いありません。アパートや賃貸マンションを経営するにあたっては、立地を重視し、空室リスクの低い物件を選ぶことがポイントです。
まとめ
以上、資産価値の落ちない物件の特徴について見てきました。
改めて立地の重要性を重視し、価値が落ちにくい物件に投資をしましょう。